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002 テアトル・エコー

創立当初から喜劇にこだわり続ける劇団「テアトル・エコー」 いい芝居をつくって、お客さんに喜んでもらって、客席がいっぱいになって、またもう1本つくって・・・そんな当たり前の劇団でありたい

テアトル・エコーの外観。稽古場、劇場、スタジオがひとつの建物にすべて集まっています。

「事務所探訪」第2回は、平成24(2012)年で劇団を再建して56年になる「テアトル・エコー」です。

テアトル・エコーの起源は、戦前の劇団「テアトル・コメディー」の北沢彪(ひょう)さんの家で行われていた「やまびこ会」という朗読の勉強会にまでさかのぼります。昭和25(1950)年頃のことです。その後、朗読では飽きたらず、劇団活動を開始。その後、解散の危機を乗り越えて再建したのが昭和31(1956)年です。

劇団の公演を成り立たせるため、テレビの黎明期から積極的にテレビに出演されていました。また「スタジオ・エコー」という別会社を設立し、テレビや映画の音声の録音・編集や、洋画の日本語吹き替え版の制作を行うなど、その活動は多岐にわたります。

実際にお話をお伺いしてみると、喜劇を中心に活動しているためか、みなさん、とにかく明るく、おおらかで、実に豪快。そして舞台への強い「愛」がひしひしと感じられました。

■ プロとしてこの世界で生き抜くという強い想い

調理台も備えたテラス。ここでは、公演などの打ち上げやバーベキューも行われるそうです。

劇団の設立当初は、当時はみんなそうだと思いますが、舞台をやれば赤字という状態でした。そのため、当時代表の梶哲也の家で解散するかどうか話をしました。そこへやってきたのが熊倉一雄で、「こんなすてきな劇団はほかにないんだから潰しちゃだめだ」と言って再建したのが昭和31(1956)年です。

劇団の解散の危機があって組織を強化する気持ちも強かったため、翌年には事務所を設立し、新劇団協議会(現:社団法人 日本劇団協議会)にも加盟しています。原宿で稽古場を借り、そこが東京オリンピックで移転せざるをえなくなり、恵比寿に来ました。

■ 劇団員になるのにルールは存在しない

劇団として劇場をもっているのは珍しいとか。そしてこの劇場を使えるのがテアトル・エコーの研修生の最大のメリット。

現在、劇団所属者は演技部と文芸演出部をあわせて約100名です。テアトル・エコーの特色は、良い言い方をすると自由、悪い言い方をするとルールがない(笑)。劇団員は2年間の研修期間を経て劇団研究生として入る人が大半です。

研修生制度は、今年14年目で7期を迎えます。現在16〜17名が所属しています。かつては養成所として、カリキュラムを作っていたのですが、さまざまな事情で閉鎖しました。でも、7〜8年経って「やっぱり新人を入れなきゃ、水が濁る」ということで再開したのが研修生制度です。今は即戦力に近い劇団員となる若手を求めていますが、自前の稽古場と劇場を使って発表会ができる点では恵まれていると思います。

■ 来たら満足し、次も観てみようという舞台をつくりたい

さまざまな公演のチラシが飾られています。日本語吹き替え版を作成した映画や研修生募集のチラシも見られます。

年によって違いますが、今年に関していえば作品としては合計6本。本公演を2本、サイドB公演(企画公演)を2本、全国の演劇鑑賞会を廻る旅公演が2本です。旅公演は過去の本公演を再演するもので、例えば、今年の『フレディ』という作品は、平成20(2008)年の本公演で上演したものです。本公演もサイドB公演も基本的にエコー劇場で行います。時間の制約などがないので一番使いやすいですね。稽古場と舞台の大きさがほとんど同じなので、実寸を稽古場で考えられるのもいいところです。

ただ、今は比較的話題性があったり、評価の高い作品であっても、チケットの売れ行きは伸びていかないですね。不景気で財布の紐も固いです。でも、来ていただいたら必ず満足するような、次も観ていただける舞台を作ることが大切だと考えています。

■ 映像の二次利用については今後の研究課題

以前、NHKの舞台中継作品を他社がDVD化したことはありますし、宣伝ツールとして動画を使ったりしていますが、劇団の舞台をDVDにしたりネットで配信したりという展開はまだありません。どれだけ要望があるかもまだわからないので今後の研究課題です。

それに舞台の基本は劇場に足を運んでもらうこと。試しにDVDに落としてみても、「これじゃあ良さなんて半分も伝わってないじゃん」と思うようなのがすごく多いんです。そこが超えられたらやりたい気持ちはあります。そういう二次的な収入源みたいなのがあれば、舞台ももっと豊かになるはずですしね。

■ マネジメントの基本は「直接行くこと」

マネージャー部は5名で会社担当制です。おもに放送局が多くて、音声作品の制作をしている会社、アニメ制作会社、そのほかに企業VPの会社、舞台系の会社などをそれぞれが担当しています。誰々の担当というのはとくにありません。

プロフィールやボイスサンプルをデータで求められることも多くなりましたが、急ぎでない限り、基本は直接行って渡すということを心がけています。

■ できるだけ開放的に!

最近はテレビ局など自由に入りにくくなりました。また、前まではテレビ局や制作会社に打ち合わせスペースがあって、そこで台本を読んだり、30分ぐらい世間話ができましたが、最近はあまり長居できないという雰囲気になりましたね。

テアトル・エコーは、なるべく開放的にやりたいと思っています。 いろんな人が集まれる場所でありたい。100年後もそうした場所であることを目指したいです。

■ 音声だけでなく多岐にわたるスタジオ・エコーの役割

充実した設備をもつスタジオの様子

スタジオ・エコーは、もともとテアトル・エコーの映画制作部として始まりました。当初から声の仕事をしている俳優が多くいた関係もあって、NHKやメジャー系の洋画会社の日本語吹き替え版やラジオドラマなどの制作に携わってきました。

現在は営業・制作・技術部合わせ15名のスタッフがいて、設備としては、アフレコやダビングができるスタジオが3つ、編集室が1つあります。昨今は、制作費が日々厳しくなり、どれだけ本数をこなせるかという制作会社としての体力が問われていますね。

このほか、スタジオ・エコーの業務は多岐にわたります。例えば、日仏交流150周年イベントとして、日本の民話の舞台公演をパリで行ったり、定期的に年2回『恵比寿エコー寄席』という落語会を催しています。また、オリジナルブランドとして、名作のオーディオドラマも制作し、現在は全部で10作品ぐらいあります。iTunesなど5社に配信しているほか、パッケージとしても買えるようになっていて、HPでも試聴できますので、是非一度聞いてみてください。また、劇場と稽古場のレンタルもしています。この建物の中でいろいろな人が出入りし、集まる場所に出来れば、また新しく何か出来ることが見つかるかもしれません。


 

■ 俳優と事務所の強い信頼関係の中で行われる権利処理

事務所内部の様子。ここで俳優と事務所の信頼関係が築かれているのでしょう。

俳優と、出演料や契約について、前もって話し合うということは、あまりありません。きっとそういうことは事務所でやってくれているだろうと信頼してくれているからかもしれません。当初からテレビ出演しながら芝居をやっていたので、みんなそういうことに慣れていてそれなりの知識をもっているんじゃないでしょうか。

それに、俳優との間にちゃんと契約書を交わしています。それも大切なことですよね。

 

■ 限られた予算内で工夫する、新しい喜劇を追求する、そして人を育てる

お話をお伺いした(左から) 毛塚さん、白川さん、村井さん。みなさんとても明るくおおらかです。

スタジオ・エコーの業務は、このご時世でいろいろと厳しい中、創意工夫しながらどれだけクオリティの高いものが作れるかというのが課題です。決してルーティンにならず、ちょっとほかとは違うおもしろいことをしたいですね。そのためにも、ディレクターや翻訳者を養成するなど、スタッフの向上はいつも考えています。

テアトル・エコーは喜劇を上演する劇団なので、みんなで頭をひねって新しい喜劇を追求することが大事な仕事だと思っています。いい芝居を作って、お客さんが喜んでくれて、客席がいっぱいになって、それが地方でも公演できて、そしてまたもう1本作って・・・・・・というふうにきちっと芝居作りをする、そういう当たり前のことができる劇団でありたいですね。

マネジメントとしては、目を光らせていろいろなところで仕事ができるようにするとともに、若い俳優を育てたいというのもありますし、良い俳優の方がいらっしゃれば来ていただいて、マネジメントをすることも考えています。

株式会社テアトル・エコー ホームページ http://www.t-echo.co.jp/

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