著作権用語辞典

home 実演家の権利を知ろう 著作権用語辞典 は行

A-Z            は        
は

パブリシティ権

ぱぶりしてぃけん

タレントやアーティストなど有名人が自己の氏名や肖像を無断で利用させない権利。法律上、明文化されていないが、判例を通じて認められてきた。2012年2月2日の最高裁判決では、「肖像等は、商品の販売などを促進する顧客吸引力があり、このような顧客吸引力を排他的に利用する権利」としてパブリシティ権を定義づけている。これまでの裁判例では、もっぱら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的として、ポスターやカレンダー、商品広告に無断で有名人の肖像を無断使用したり、雑誌に無断掲載したりするとパブリシティ権を侵害すると判示されている。

パブリック・ドメイン

ぱぶりっく・どめいん

著作権等の保護期間が満了したことにより、著作権等が消滅した状態のことで、PD(Public Domain)とも称される。PD状態の著作物等は、権利者の許諾なく誰でも自由に利用することができる。一部の諸外国においては、当該著作物等の利用に際し使用料支払義務を課す有償公有制度(Domaine Public Payant)が導入されている。

万国著作権条約(UCC)

ばんこくちょさくけんじょうやく

UNESCOの提唱により作成された著作権の保護に関する条約。1952年にスイス・ジュネーブで作成、1971年にフランス・パリで改正。2012年3月現在の締結国は、100カ国。日本は1956年に加入している。当時、著作権保護に関し登録制度を採っていたアメリカなどと、無方式主義を採っているベルヌ条約加盟国との間の橋渡し的役割を果たした。
 同条約の加盟国の著作物であれば、登録等行わなくても、最初の発行時から著作権者の名、最初の発行年、©の記号をつければ、方式主義の加盟国においても保護を受けられる。その後、アメリカを始め、方式主義を採っていた国もほとんどがベルヌ条約に加盟したため、今日では、©マークをつける法律的意味はほとんどなくなっている。

 

頒布権

はんぷけん

頒布する権利のこと。映画の著作物に認められる許諾権のひとつ。頒布とは、有償、無償問わず、複製物を公衆に譲渡または貸与することで、映画の著作物または映画の著作物に複製された小説、脚本もしくは音楽の著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡または貸与することも含まれる(著作権法第2条1項19号)。劇場用映画のフィルムが映画館を転々として配給する際に、権利者が、フィルムの流通をコントロールすることを想定していた。ただし、判例によると、市販されているテレビゲームやビデオ・DVDといった映画の著作物については、いったん権利者の許諾を得て販売された後には、頒布権はおよばないこととされており、現状では、中古ゲームや中古ビデオ・DVDの販売は、頒布権の侵害とはならない。

フィア

ふぃあ

FIA(国際俳優連盟)

フィム

ふぃむ

FIM(国際音楽家連盟)

フェア・ユース(公正利用)

ふぇあ・ゆーす(こうせいりよう)

米国著作権法第107条に定められる、著作物著作権者の許諾なく利用できる包括的なのひとつ。「利用の目的・性質」、「著作物の性質」、「利用された部分の量・重要性」および「利用の及ぼす影響」の4要件を指針として、裁判所が、フェア・ユースにあたるか否かを判断することになる。

複製権

ふくせいけん

著作者の有する許諾権のひとつ。著作者は、その著作物を複製する権利を専有すると定めている(著作権法第21条)。複製とは、印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法によって、もとの著作物を再製することをいう(著作権法第2条第1項15号)。例えば、ある著作者の書いた小説や音楽を、無断でそのままコピーする場合はもちろんのこと、そのままコピーしなくとも、もとの作品を知りながら、真似るような場合にも著作者の複製権はおよぶ。また、レコード製作者放送事業者および有線放送事業者にも、許諾権として複製権がある(著作権法第96条、第98条および100条の2)。

プロバイダ責任制限法

ぷろばいだせきにんせいげんほう

正式名称は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律。インターネット上での情報流通の拡大により、他人の名誉毀損やプライバシー侵害、著作権などの侵害に対処するため、2001年に成立した法律。インターネットと利用者とを仲介するインターネット・サービス・プロバイダに対する損害賠償責任が制限される場合や、他人の名誉やプライバシー、著作権を侵害する情報を発信した利用者に関する情報開示請求について定めている。

ベルヌ条約

べるぬじょうやく

小説、音楽または美術などの著作権保護に関する基本条約。正式には、「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」。1886年にスイス・ベルヌで作成されたことから、一般に「ベルヌ条約」と呼ばれる。2012年3月現在の締結国は、165カ国。日本は1899年に加入している。なお、日本がイギリスなどとの間で締結した不平等通商条約を解消するための条件として、ベルヌ条約へ加盟する必要があったことが、いわゆる旧著作権法制定の契機となったとされる。その後、ほぼ20年おきに改正されているが、1971年パリ改正以降、改正されていない。著作権保護について無方式主義を定めるほか、著作者人格権や、著作権の保護期間著作者の死後50年とすることなど定めている。

方式主義

ほうしきしゅぎ

発明を保護する特許権や、商標を保護する商標権を発生させるためには、特許庁への登録が必要となる(特許法66条1項、商標法18条1項)。このように、権利の発生に登録などの手続が必要とされることを「方式主義」という。これに対して、著作物実演などを著作権著作隣接権の発生には、登録などの手続を必要としない「無方式主義」を採用している(著作権法17条2項、89条5項)

報酬・補償金請求権

ほうしゅう・ほしょうきんせいきゅうけん

報酬請求権とは、権利者の許諾は不要であるが、実演を利用した場合には、一定の金銭を支払わなければならないという権利。例えば、商業用レコードを用いた放送をする放送事業者は、権利者から許諾を得る必要はないが、当該商業用レコードに収録されている実演に係る実演家に二次使用料を支払わなければならない(詳しくは、「商業用レコード放送二次使用料請求権」をご参照下さい)。また、許諾権を権利制限し、報酬請求権を認める場合には、「補償金(請求権)」の語があてられている。例えば、複製権録音権・録画権を制限する私的録音録画補償金請求権(著作権法30条2項)や放送対象地域に限定した放送の同時再送信に対する送信可能化権を制限する補償金請求権(著作権法102条6項)などがある。

放送権

ほうそうけん

放送する権利のこと。著作者については公衆送信権の一部として認められているほか(著作権法第23条1項)、実演家に認められている権利(著作権法第92条1項)。また、放送事業者については、その放送を受信して再放送する権利(著作権法第99条1項)、有線放送事業者については、その有線放送を受信して放送する権利(著作権法第100条の3)として定められている。
 放送とは、公衆送信のうち、公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう(著作権法第2条1項8号)。したがって、著作権法上は、「放送」は「無線通信の送信」のみを指し、テレビやラジオ放送が典型例であるが、放送法に定められている「放送」とは同じではないことに留意する必要がある。

放送事業者・有線放送事業者

ほうそうじぎょうしゃ・ゆうせんほうそうじぎょうしゃ

放送や有線放送を、業として行う者をいう(著作権法2条1項9号、9号の3)。営利非営利は問わず、必ずしも放送法による免許などを受けた者、届出をした者だけが、著作権法上の放送事業者・有線放送事業者に該当するわけではない。典型的な例としては、NHKや民間放送局、AM・FMラジオ放送局、コミュニティー放送局、ケーブルテレビ放送事業者などが、これにあたる。

放送事業者・有線放送事業者の権利

ほうそうじぎょうしゃ・ゆうせんほうそうじぎょうしゃのけんり

放送事業者・有線放送事業者には、財産的利益を保護するための許諾権が認められ、人格的利益を保護するための権利は認められていない。

具体的には、複製権著作権法98条、100条の2)、放送権有線放送権(著作権法99条、100条の3)、送信可能化権(著作権法99条の2、100条の4)およびテレビジョン放送の伝達権(著作権法100条、100条の5)がある。

放送番組

ほうそうばんぐみ

放送される番組全般を指す。放送番組に係る実演家の権利についていえば、いわゆる劇場用映画と一般的なテレビ番組(ドラマ、バラエティなど)でまったく扱いが異なる。いわゆる劇場用映画の場合、実演の録音・録画に係る許諾を得て作成されているため、その後の利用については、実演家許諾権はおよばなくなる。一方、一般的なテレビ番組の場合、著作権法第93条の適用により、放送の許諾を得て録音・録画されているため、当初の目的とは異なる利用、例えば、部分利用や放送目的外の利用などには、当該録音・録画の許諾を得なければならない。

保護期間

ほごきかん

著作権および著作隣接権に認められた、権利が発生し消滅するまでの期間。この期間においては、権利者は権利の対象を原則的に独占排他的に利用することができる。保護期間を過ぎた著作物実演などは、誰もが自由に利用することができる。

翻案権

ほんあんけん

著作者の権利として財産的利益を保護するために認められている、二次的著作物を創作する権利のひとつ(著作権法第2条1項11号、27条)。翻案の例示として、脚色や映画化が挙げられている。例えば、小説を舞台用の脚本に書き換えたり、漫画を映画化したりする際には、その小説や漫画の著作権について許諾を得なければならない。その他にも、小説を児童向きの読物にリライトすることなども翻案にあたるとされる。

翻訳権

ほんやくけん

著作者の権利として財産的利益を保護するために認められている権利のひとつ(著作権法第27条)。例えば、英語で書かれた小説を、日本語に翻訳して、出版する場合には、英語で書かれた小説の著作者から許諾を得なければならない。日本語に翻訳された小説は、英語で書かれた小説を原著作物とする、二次的著作物となる(著作権法第2条1項11号)。

home 実演家の権利を知ろう 著作権用語辞典 は行